本調査について
平成23年度〜28年度科学研究費助成事業 学術研究助成基金助成金
(基盤研究C)
「個人化する社会の「看取り」:その担い手と受け手の日仏比較研究」
同 基盤研究(C) 2017-04-01 − 2021-03-31
「超高齢社会におけるケア:社会的包摂と支援に関する日仏比較」
研究代表者:佐藤典子
近年、「無縁社会」という語が謳われ、血縁、地縁のない者の孤独な生活や死が増加したと言われています。老いた者が子供ではなく、社会保障や金融資産に頼る傾向は、福祉国家の必然の成り行きですが、そのことが、「看取り」の中心的な担い手である看護師の働き方にさまざまな影響をもたらしているのではないでしょうか。かつて予想された以上に、人々の高齢化は進み、「看取り」の需要は高まっています。しかし、看護師などのケアの担い手にとっての昨今の業務の多忙化・煩雑化は、本来の中心的な職務であるはずの全人的ケアそのものが困難となり、看護師自身の職業生活を、圧迫していると言えるでしょう。そもそも、看護職の重要性の認識は高まり、それと同時に高学歴化・専門化しているのですが、一方で、過労の状況を生んでいるのはなぜなのでしょうか。アンケート・インタビューなどから考えてみたいと思っています。また、日本と同様に高齢社会で看護需要の高いフランスを比較対象として考察したいと考えています。